家庭用脱毛器によるムダ毛処理 |メリット・デメリットと使用時に注意したいこと
ここでは、家庭用脱毛器によるムダ毛処理のメリット・デメリットや正しい使い方について詳しく説明します。
目次
家庭用脱毛器の種類
家庭用脱毛器には大きく分けて5つの種類があります。いずれも使い方は簡単で、誰でもすぐに使うことができます。まずは、それぞれの種類と脱毛を行う仕組みについて見ていきましょう。
フラッシュ式
家庭用脱毛器では最もよく使われているタイプです。光のエネルギーを使って、毛根にダメージを与えることにより脱毛します。照射後1~3週間ほどで毛が抜け落ち、続けて行くうちに、徐々にムダ毛が細くなり、生えにくくなっていきます。
レーザー式
医療機関で使用する医療レーザー脱毛器を家庭でも安全に扱えるように改良したものです。フラッシュ式と同じく、メラニン色素に反応するレーザーを当て、毛根にダメージを与えることで脱毛します。こちらは、照射後1~2週間で毛が自然と抜け落ちます。フラッシュ式よりパワーが強い分、ムダ毛が細くなり、生えにくくなるまでの時間は短いです。
サーミコン式
熱したワイヤーを毛に当てカットします。毛を毛根からなくす脱毛ではなく、肌の表面に出ている毛を処理する除毛しかできませんので、正確には「家庭用脱毛器」ではなく「家庭用除毛器」と言った方が良いでしょう。一時的な効果しかなく、すぐに新しいムダ毛が生えてきます。
ローラー式
ローラーが回転し、毛を挟んで抜き取って行くもので、毛抜きでの処理を機械で行っているイメージです。毛根からの処理する脱毛ができますが、サーミコン式と同じく、一時的な効果しかなく、継続的な手入れが必要です。
バルジ式
フラッシュ式やレーザー式と同じく光を照射しますが、こちらは、毛を生やすように指示を出すバルジ領域という部分にダメージを与え、脱毛します。バルジ領域は2000年代に入ってから発見されたものなので、まだまだ研究段階の方式と言えます。
家庭用脱毛器は、どのタイプも実店舗での取り扱いが少なく、通信販売限定のものが多いです。購入する際には、事前にサポート体制や不具合があった時の対応などを確認するようにしてください。
次に、それぞれタイプのメリット・デメリットについて、さらに詳しく説明します。
フラッシュ式家庭用脱毛器のメリット・デメリット
家庭用脱毛器で最も多く使われているタイプで、たくさんの種類が発売されています。痛みが少なく、広範囲の処理を比較的短時間で済ませることができますが、製品数が多いため製品によって性能や価格に大きな差があります。
フラッシュ式家庭用脱毛器のメリット
痛みが少なく、肌に優しい
フラッシュ式、最大のメリットは処理中の痛みが少なく、肌に優しいことです。フラッシュ式で使用されている光は、毛穴の奥にある毛根にだけ集中してダメージを与えることができると言われています。
また、肌への刺激が少ない分、痛みも抑えられ、製品によっては「ほぼ無痛で処理できた」という口コミも寄せられています。
短時間で広範囲の処理ができ、仕上がりが美しい
フラッシュ式はレーザー式に比べ、照射面積が大きいのが特徴です。そのため、短時間で広範囲の処理ができます。
製品により照射幅は異なりますが、1回の平均処理本数は80~120本、両脇の処理にかかる時間は5~10分程度と言われています。2~4週間に1度の頻度で処理を行う人が多く、無理なく続けることができるでしょう。
さまざまな機種が発売されており、自分の希望に合うものが選べる
さまざまなメーカーから多種多様な製品が販売されており、値段や収納時の大きさなど、自分の希望に合うものを選ぶことができます。
値段も大変幅広く、安いものでは1万円程度から、高いものになると10万円ほどするものもあります。
フラッシュ式家庭用脱毛器のデメリット
定期的にカートリッジを購入しなければならない
フラッシュ式家庭用脱毛器は、どの製品もライトの部分が取り外しできるようになっており、これを「カートリッジ」と呼んできます。
カートリッジは定期的に交換しなければならず、その頻度は製品により異なります。値段は1個7000円くらいのものが多いです。また、製品によっては処理をする際に使う、専用クリームを購入しなければならないものもあります。
製品によって性能・価格に差がある
多種多様な製品が発売されており、たくさんの中から選べるのは良いのですが、反面、製品によって性能に大きな差があるのがデメリットです。
また、値段と効果が比例すると言い切れません。製品を選ぶ際には、パッケージの説明や販売サイトの文言だけではなく、実際に使用した人のブログや口コミなども参考にしてみてください。
レーザー式家庭用脱毛器のメリット・デメリット
レーザー式家庭用脱毛器は、フラッシュ式よりパワーがあり、少ない回数で効果が実感できます。家庭用脱毛器の中ではトップクラスの脱毛効果がありますが、その分、脱毛時の痛みが強く、火傷などの肌トラブルを起こす可能性があります。
レーザー式家庭用脱毛器のメリット
高い脱毛効果が期待できる
フラッシュ式のものよりパワーが強いので、毛が細くなり、生えにくくなるまでの期間が短くなります。半年ほどで効果を実感している人が多いです。
医療機関での医療レーザー脱毛のように永久脱毛はできませんが、自己処理でそれに一番近い効果を得られます。
カートリッジの交換が不要
フラッシュ式の場合は照射するためのカートリッジが必要ですが、レーザー式の場合は一体型になっているので、追加で購入する必要がありません。
レーザー式家庭用脱毛器のデメリット
痛みが強く、肌への負担が大きい
フラッシュ式よりもパワーが強い分、処理中に大きな痛みを感じます。せっかく高い脱毛器を購入したのに、痛みのあまり継続して使用することができなかったという人もいます。
また、パワーが強いということは当然、肌への負担も大きくなります。敏感肌や乾燥肌の人、またアトピーなどの皮膚疾患がある人は避けた方が良いでしょう。
照射の範囲が狭く、手間と時間がかかってしまう
フラッシュ式に比べ照射範囲が狭く、何度も照射しなくてはなりません。
照射面積は1センチ×1センチ(1平方センチメートル)くらいのものが多いです。フラッシュ式であれば、2センチ×3.5センチ(7平方センチメートル)などのものが主流なので、単純計算でも7倍の時間がかかることになります。
充電式の場合、バッテリー交換が必要
充電式の製品の場合は内蔵バッテリーの交換が必要です。購入後、1年間は無償交換できる製品などもありますので、購入の際には、バッテリー交換の目安や保証についても確認してください。
サーミコン式家庭用脱毛器のメリット・デメリット
先程もお伝えしたとおり、サーミコン式家庭用脱毛器では除毛しかできません。カミソリや電気シェーバーでの処理と同じようなものと考えてください。脱毛はできませんが、シンプルな仕組みですぐに除毛ことができます。
サーミコン式家庭用脱毛器のメリット
コンパクトで軽量な製品が多く、手軽に処理できる
サーミコン式の製品は軽量なものが多く、持ち運びに便利です。また、電動シェーバーに比べ、作動音も静かなので、周囲に気を使うことなく使用できるのもメリットです。
肌に優しく、痛みも少ない
刃物を使用しないので、カミソリでの処理より肌に優しいです。カミソリで処理すると、カミソリ負けしてしまう人にもおすすめできます。また、毛抜きのように毛を抜くのではなく焼き切ってしまうので、痛みも少ないです。
サーミコン式家庭用脱毛器のデメリット
脱毛ではなく除毛なので、永久に定期的な処理が必要
脱毛ではなく除毛なので、定期的に処理し続ける必要があります。続けることで多少は毛が薄くなることもありますが、微々たるもので、処理の頻度は1週間に1~2回という人が多いです。
毛が焼けた時のにおいが気になる
熱線で毛を焼くので、独特のにおいがします。あらかじめ処理する毛を短くしておく(2~3ミリ程度)ことで、ある程度においを抑えることもできますが、全くにおいのない状態にはできません。
ローラー式家庭用脱毛器のメリット・デメリット
古くから家庭用脱毛器として発売されているのがローラータイプです。使用を続けてもムダ毛が細くなったり、生えにくくなったりはしません。
ローラー式家庭用脱毛器のメリット
コンパクトで軽量な製品が多く、価格も安い
現在では、少数派となってしまったローラー式家庭用脱毛器ですが、コンパクトで軽量な製品が多く、すぐに除毛できるので、旅先などでも気軽に使用できます。また、安い製品であれば3000~4000円程度から購入できます。
最近は処理中の痛みが少ない製品も多い
長い間使われているものなので、メーカーによってさまざまな改良がなされています。多くの毛をまとめて引き抜いているのも関わらず、あまり痛みを感じないと評判の製品もあります。
ローラー式家庭用脱毛器のデメリット
定期的に処理しなければならない
定期的な処理が必要な上、ある程度毛の長さ(2~3ミリ)がないとうまく脱毛できないので、その間は毛が生えたままになってしまいます。
毛穴に大きな負担がかかる
毛穴の奥から無理やり毛を引き出して処理するので、肌に大きな負担がかかります。毛抜きでの処理よりは優しく出来るとはいえ、埋没毛や毛嚢炎(もうのうえん)、色素沈着などを引き起こす可能性もあります。
「埋没毛」、「毛嚢炎」、「色素沈着」についての詳細はそれぞれの記事を参照してください。
バルジ式家庭用脱毛器のメリット・デメリット
バルジ式家庭用脱毛器は製品化されて日が浅く、まだまだ研究段階と言えます。種類も少なく、家庭用として販売されているものは数点しかありません。価格も15万円以上するものが多く、カートリッジもかなり高額です。
バルジ式家庭用脱毛器のメリット
フラッシュ脱毛よりも肌に優しい
フラッシュ式やレーザー式のように高温にならないので、より肌に優しく、痛みも少ないと言われています。
バルジ式家庭用脱毛器のデメリット
人によって効果にバラつきがあり、ほとんど効果がなかったという声も
肌に優しく、痛みもほとんどないため「夢の脱毛方法」、「最新方式」などと言われることもあるバルジ式ですが、ムダ毛の質により効果にはかなりバラつきがあります。
中には10回以上使い続けても効果が感じられないという人もいます。
本体もカートリッジも高額
まだまだ少数のメーカーでしか製造されておらず、機種はかなり限られていますが、いずれも大変高額です。本体が15万円以上する製品が主流で、カートリッジも1万5000円以上するので、ランニングコストも非常に高くなります。
バルジ式脱毛については、今もなお研究が進んでいますので、近い将来、もっと安価で効果の高い製品が発売される可能性もあります。今すぐにバルジ式を試してみたいという方には、家庭用機器を購入するよりも、バルジ式を採用しているサロンに行くことをおすすめします。
家庭用脱毛器比較表
これまで5つのタイプの脱毛器のメリット・デメリットについてお話しました。それぞれのメリット・デメリットがわかりやすいように表にまとめましたので、比較検討する際の参考にしてください。
家庭用脱毛器比較表
本体価格 |
---|
脱毛力 |
肌への優しさ |
脱毛面積 |
ランニングコスト |
フラッシュ式 | レーザー式 | サーミコン式 | ローラー式 | バルジ式 |
---|---|---|---|---|
1万円~10万円 | 3万5000円~5万5000円 | 7000円~3万5000円 | 3000円~2万円 | 15~20万円 |
何度か使用することで、 毛が細く、生えにくくなる |
何度か使用することで、 毛が細く生えにくくなる |
脱毛ではなく除毛なので、 すぐに新しい毛が生えてくる |
脱毛できるが、継続して使用しても 毛が細くなる可能性は低い |
毛の質により効果が大きく異なる。 なかなか効果が表れないとの声も。 |
痛みも、肌への負担も少ない | パワーが強い分、 痛みも肌への負担も大きい |
正しく使用しなければ、 火傷する可能性がある |
毛根から毛を引き抜くので、 肌への負担が大きい |
他の方式より熱を与えなくて 良いので、肌に優しい |
広い | とても狭い | 狭い | 狭い | 広い |
定期的にカートリッジを 交換しなければならない |
充電式の場合、定期的に バッテリーを交換しなければならない |
2種類のカートリッジが 必要な機種もある |
本体のみで使用できる | 定期的にカートリッジを 交換しなければならず高額 |
それぞれにメリット・デメリットがありますが、価格面や肌への負担などから総合的に判断すると、一番おすすめなのはフラッシュ式脱毛器です。
フラッシュ式家庭用脱毛器を使う時に注意したいこと
肌に優しいフラッシュ式家庭用脱毛器ですが、使い方を誤ると肌トラブルを起こす可能性もあります。ここではフラッシュ式脱毛器を使用する際に気をつけたい点についてお伝えします。
準備
使用する前に、必ず説明書を読む
フラッシュ式脱毛器は、誰でも簡単に使用できるものです。しかし、使用方法を誤れば火傷など深刻な肌トラブルを起こす可能性があります。
使用前には必ず説明書をよく読んでください。使い方を説明したDVDなどがついていた場合には、それらにも目を通すようにしましょう。
体調の悪い日や生理中、前後は使用を控える
体調の悪い日や、生理中、前後は肌がデリケートになっているので、照射を控えましょう。
照射した日時や範囲、照射レベルなどを記録しておく
照射の頻度は必ず説明書に従ってください。また、いつ、どの範囲を照射したかをきちんと記録しておきましょう。照射の強さが選べる脱毛器の場合、そのレベルも記録しておくと次回使用時に参考になります。
前日までにカミソリや電気シェーバーでムダ毛を処理しておく
毛根にしっかり照射できるよう、肌の表面に出ているムダ毛は前日までに処理しておきましょう。この時、毛抜きやワックスなどで処理すると、毛根までなくなってしまうため、フラッシュが反応しなくなってしまいます。必ず、カミソリや電気シェーバーで処理するようにしてください。
照射前
しみや色素沈着(黒ずみ)、ほくろ、傷跡のある場所をシールで覆う
シミや色素沈着のある場所に照射すると、強い痛みを感じたり、火傷することがあります。しみ、色素沈着、ほくろ、傷跡のある部分には照射しないよう、事前に医療用テープ(サージカルテープ)などを貼っておく方が良いでしょう。照射ムラを少なくするためにも、避けたい部分に合わせカットできるものがおすすめです。
肌を清潔にし、事前に保湿ローションやボディクリームを塗らないようにする
肌を清潔にするため、照射前に入浴する方が良いでしょう。入浴後に普段使っている保湿ローションやボディクリームを塗ってしまうと、照射の効果が薄くなってしまうので、何も塗らない状態にしておいてください。
肌を冷やし、水分を拭きとってから照射する
肌への負担と痛みを和らげるため、事前にしっかり肌を冷やしてください。保冷パックを使う場合、3~5秒くらい当てるのが目安です。また、肌に水分がついた状態で照射すると、効果が薄くなるので、しっかり水分を拭き取りましょう。
照射
照射の強さが選べる場合、まずは最弱のレベルでテスト照射する
照射する強さを選べる製品の場合、まずは最弱のレベルでテスト照射してください。照射後、異常がないかを確認し、様子を見ながらレベルを調整するようにしましょう。
照射後すぐに冷却し、同じ場所を照射しないよう注意する
照射が終わったら、すぐに冷却してください。冷却→照射→冷却をした後、次の場所に移ります。この時、前に照射した部分と重ならないように照射しなければなりません。目印なしでは困難なので、照射口を当てた部分に白い水性ペンなどで印をつけておくと良いでしょう。
照射後
しっかりと保湿し、脱水状態を防ぐため水分を摂取する
照射後の肌は普段より乾燥しやすくなっています。刺激の少ない保湿ローションやボディクリームなどを塗って保湿してください。また、脱水状態を防ぐためにも、水分摂取を心がけてください。
照射後2~3日間はプール、熱いお風呂、海水浴、サウナ、日焼けを控える
照射後2~3日は肌がデリケートな状態になっていますので、プールや熱いお風呂、サウナ、海水浴、日焼けを避けましょう。また、照射当日はぬるい湯であっても湯船に浸からないようにしてください。
フラッシュ式家庭用脱毛器を選ぶ時に気をつけたいポイント
カートリッジの交換頻度と価格
購入の際には、ついつい本体価格にばかり気を取られてしまいがちですが、長く使う上で大きな負担になるのが交換用カートリッジです。カートリッジの交換目安や価格、購入のしやすさなどを考慮して選びましょう。
照射できる部位
全身に使用できるものが主流ですが、中にはVIOラインに使用できない製品もあります。自分が処理したい部分に使用できるかどうか、パッケージなどで確認するようにしてください。
照射面積
一度に照射できる面積が広ければ、それだけ短時間でたくさんの部位を処理することができます。また、照射面積が広い方が、照射ムラが少なくなり、美しく仕上げることができます。
重さと大きさ
あまりに重たいものや大きいものは取り扱いが難しく、思ったように照射できない可能性があります。なるべく小さく軽いものを選んでください。
照射の強さが選べるか
肌の色やムダ毛の状態によって適切な照射の強さは変わります。細かく照射のレベルを変えられるものの方が、自分の肌の状態に合わせやすいでしょう。中には10段階の調整が可能な製品もあります。
以上、家庭用脱毛器によるムダ毛処理のメリット・デメリットや使用時に注意したいことについての解説でした。家庭用脱毛器は、決して安価なものではありませんが、一度購入すれば、いつでも好きな時に手軽に脱毛できます。
金銭的に余裕はあるけど、脱毛にかける時間がないという働く女性などには、魅力的な脱毛の方法となるでしょう。
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