脱毛による毛嚢炎の対処・治療法と予防法など全知識

毛抜きや除毛剤、ブラジリアンワックスなどでムダ毛処理をした後に、ニキビのようなプツプツ(=毛嚢炎)ができてしまったことはありませんか?

ここでは、このような脱毛後にできるプツプツについての

・白いプツプツは、ニキビとは違うの?ニキビとの見分け方は?
・白いプツプツができた場合、どうしたらいいの?
・白いプツプツができないようにするは、どうしたらいいの?

といった疑問について解説します。

脱毛による毛嚢炎(もうのうえん)とは

毛嚢炎とは、別名で毛包炎(もうほうえん)と呼ばれる皮膚の病気です。毛包炎という言葉から分かるように、毛を包んでいる毛包(もうほう)と呼ばれる部分が炎症している状態を指します。

毛包が炎症する原因としては、無理なムダ毛処理や、ムダ毛処理後のアフターケア不足などが挙げられます。処理後のアフターケアを怠った場合、毛穴が直接空気に触れてしまい、そこからばい菌が侵入し感染します。そして、ばい菌に感染した毛包部は、ばい菌を殺すために炎症(=赤く腫れる)します。こうして、毛嚢炎を発症するわけです。

毛嚢炎を起こした部分には、その後、白っぽい膿(うみ)ができます。この白っぽい部分が、イラストのように毛穴から露出しているため、よくニキビと勘違いされます。

monoen1

毛嚢炎とニキビの違い

毛嚢炎をニキビと勘違いしている人は意外と多いです。「肌のプツプツと言えばニキビ」と誰しも考えてしまうことに加え、毛嚢炎の外見がニキビの初期症状である白ニキビによく似ているからです。

毛嚢炎と白ニキビの違い
毛嚢炎 白ニキビ
monoen shironikibi
・周りが赤く腫れている
白いプツプツは、炎症の結果として生じた膿(うみ)
炎症をした後なので、白いプツプツの周りが赤く腫れている
・周りが腫れていない
白いプツプツは、皮脂(=皮膚からでる油)が固まったもの
・白ニキビの時点では、炎症していないので、周りが腫れていない

毛嚢炎と白ニキビの見分け方

1.白いプツプツの周りが赤く腫れていると、毛嚢炎、腫れていないと白ニキビの可能性が高い。

2.ムダ毛処理後、数日以内に処理部位にできた白いプツプツは毛嚢炎である可能性が高い。

脱毛による毛嚢炎の症状と発症しやすい部位

毛嚢炎の症状

毛嚢炎は、表面部が炎症しただけの軽度のものであれば、痛みやかゆみなどもなく、一週間程度で治ることが多いです。

一方、毛穴の深い部分まで感染した中程度以上の症状の場合は、おできのように膨らみが大きくなり、痛みやかゆみを伴う場合もあります。また、稀にさらに悪化した場合、複数の毛穴に拡大し、強い痛みを生じることがあります。

中程度以上の症状でも、自分で潰すのではなく、膿が自然に破裂した場合は、その後、急速に症状が治まることが多いです。ただし、中程度以上の場合は、炎症範囲が広くなるので、毛嚢炎が治っても肌に傷が残ってしまうことがあります。

特に注意したいのは、毛嚢炎の発症を繰り返してしまうことです。

何度も繰り返してしまった場合、最初は軽度であったとしても、次第に炎症の範囲が拡大していき、最終的に完治したとしても、傷跡のようなものが肌に残ってしまうこともあります。こうなると、傷跡を消すのが大変です。

毛嚢炎を繰り返さないためにも、膿を自分でつぶすのはやめましょう。

せっかく膿ができて、治りかけているにも関わらず、自分で潰してしまうと、再び炎症を起こすだけでなく、その範囲が拡大する可能性があります。その結果、なかなか毛嚢炎が治らず、炎症を繰り返してしまうことになるのです。

また、埋没毛に悩んでいる人も毛嚢炎の発症及び、発症の繰り返しを起こしやすいです。以下に理由を説明します。

毛嚢炎と埋没毛の関係

STEP1  埋没毛ができるのは、過度に毛穴を傷つけているからなので、そもそも埋没毛ができた後には毛嚢炎を発症しやすい。

STEP2  埋没毛は、皮膚の中に毛が埋まっているため、見た目が美しくなく、ピンセットなど で自分で掘り起こしてしまう人が多い。掘り起しをしてしまうと、さらに毛穴が痛むため、より毛嚢炎を発症しやすくなる。また、自分で掘り起こす行為によって、埋没毛自体も治らない。

STEP3  STEP1とSTEP2を繰り返してしまい、毛嚢炎がなかなか治らない負のスパイラルに陥り、肌に傷跡が残ってしまう。

このように、毛嚢炎と埋没毛は同時に発症しやすいので注意が必要です。
※埋没毛の詳細は、埋没毛の記事を参照してください。

また、適切に対処しないと、これだけでなく、肌が色素沈着を起こしてしまう可能性もありますので、毛嚢炎は軽度の段階できちんと対処することが大切です。
※色素沈着の詳細は、色素沈着の記事を参照してください。

毛嚢炎の発症しやすい部位

毛嚢炎は、どの部位にもできる可能性がありますが、一般的に、毛穴の太い部位(=毛が太い部位)でかつ、ばい菌が多くいる部位に発症しやすいです。

ですので、ワキの下や、VIOラインなどのデリケートゾーンに発症しやすいと言われています。他に、男性では皮脂の多い顔などでよく発症するため、女性でも少しオイリーな肌質の方は、顔周辺に毛嚢炎ができる可能性があります。

脱毛で軽度の毛嚢炎になった時の自己対処法

毛嚢炎は、軽度のものであれば、放置していても自然に一週間程度で治ることが多いです。

しかし、自分で潰してしまった場合、何度も繰り返し発症したり、範囲が拡大してしまい、肌に傷跡が残ってしまう可能性があります。

そのため、軽度の毛嚢炎への対処法としては、「いかに毛嚢炎を悪化させないか?」ということが鍵となります。

特に、次の二点に気をつけることが重要です。

気になっても触らない、潰さないこと

軽度の毛嚢炎は、放っておけば、自然に膿が潰れて完治し、痕(あと)も残りません。ですので、何もしないということが一番効果的です。

一方、毛嚢炎の部分が気になるからと、つい触ってしまう人がいますが、前述したように、誤って自分で潰してしまった場合、再び炎症が起こるため、治りが遅くなりますし、ひどい場合には悪化してしまう可能性もあります。

ですので、早く治すためには、「気になっても何もしない」ということを実践するようにしてください。

尚、万が一、潰してしまった場合は、水できれいに洗い流して、清潔に保つようにしてください。また潰したことによって、毛嚢炎がひどくなったと感じた場合は、医療機関を受診してください。

清潔な状態に保つこと

毛嚢炎は、脱毛によって、傷ついた毛包部がばい菌に感染することで発症します。炎症を抑えるには、毛穴周辺をきれいにすることが効果的ですので、こまめに患部を洗うようにしてください。

ただし、この際に、毛嚢炎の部分をこすってしまうと、膿を潰してしまう可能性があるため、直接触れずに、泡だけで洗うようにしてください。

また、衣類が患部に触れる場合、それらの衣類もこまめに洗うことが望ましいです。 患部が顔の場合、寝ている間に枕カバーに患部が触れるので、枕カバーをこまめに洗い清潔に保ってください。

以上が、初期の毛嚢炎に対して自分でできる対処法になります。基本的に、初期の症状であれば上記方法で安静にしておけば治りますが、「それでも不安」という場合は、医療機関を受診しましょう。

脱毛による毛嚢炎の治療法|医療機関編

初期の毛嚢炎でも不安な場合や、自分で毛嚢炎を潰してしまって炎症がひどくなった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

前述の通り、毛嚢炎は繰り返し発症し炎症範囲が拡大すると、完治しても傷跡が残ってしまう可能性があるため、症状が軽い段階で治療してしまうことが重要です。

毛嚢炎は肌のトラブルなので、基本的には皮膚科にかかるべきです。しかし、デリケートゾーンの毛嚢炎に悩んでいる場合、なかなか気恥ずかしくてクリニックに行けないという人も多いです。

ですが、症状が悪化しているのに、そのまま放置しておくことは、より症状を悪化させる可能性もありますし、不安を抱えながら日常生活を過ごすことになり、精神的にも良くありません。そのような方には、婦人科に行くか、皮膚科でも女性の医師がいるクリニックにかかることをおすすめします。

では、医療機関にかかった場合、どのような治療をしてもらうのかを簡単に説明します。

※尚、ここに書かれていることは、一般的な話であり、各医療機関の治療方針によって、行われる治療が異なる場合もあります。その場合は、かかり先の医師の指示に従ってください。

医療機関で行われる毛嚢炎の治療には、大きく次の三つです。

患部を清潔に保ち、安静にすること

医療機関を受診した場合も、症状が初期であれば、患部を清潔に保ち、自分で潰さず安静にするように勧められます。

このように書くと、医療機関に行く意義を感じない人もいるでしょう。しかし、医療機関にかかることで「本当に毛嚢炎なの?」、「自分の毛嚢炎は軽症なの?それとも、ひどい状態なの?」といった疑問を解決でき、不安感を取り除くことができるというメリットがあります。

軽度の場合、外用レチノイドと呼ばれる薬が処方される

軽度の場合は、外用レチノイドと呼ばれるニキビ用の薬が処方される場合があります。ただし、この薬は毛穴が硬くなり、入口が狭くなるのを防ぐものなので、直接的に毛包の炎症を抑えるものではありません。

軽度または、中程度以上の場合は、抗菌薬が処方される

毛嚢炎は、毛包部分がばい菌に感染して炎症することによって生じます。そのため、医療機関によっては、炎症を直接抑えるために、ばい菌を抑える薬(=抗菌薬)を処方される場合があります。

脱毛による毛嚢炎の予防法

最後に「そもそも毛嚢炎を防ぐためにはどうすれば良いの?」、「過去に毛嚢炎になったことがあるけど、今後、毛嚢炎にならないためにはどうすれば良いの?」といった毛嚢炎の予防法について解説します。

脱毛による毛嚢炎を防ぐには次の三つを実践するようにしてください。

正しいムダ毛の自己処理をする

毛嚢炎を防ぐには、できるだけ毛穴を傷つけない、正しい自己処理をすることが大切です。例えば、処理前に処理する部分を清潔にすることや、カミソリで処理する場合は深剃りをしないなどです。各ムダ毛処理の正しい方法は、それぞれの方法の記事を参照してください。

処理後のアフターケアをきちんとする

ムダ毛処理は、どれだけ慎重に行っても、毛穴を傷つけてしまいます。そのため、処理後のアフターケアをきちんと行うということも、毛嚢炎を予防の鍵となります。

アフターケア全般で注意すべきことは、

  • 処理した部分を清潔に保つこと
  • 処理した部分をむやみに触らないこと
  • 処理した部分に触れる衣類や寝具は清潔にしておくこと

の三点です。

各処理方法における、アフターケアで注意すべき点は、各処理法の正しい実践の仕方の記事内に記載されていますので、そちらを参照してください。

体調の悪い時はできるだけムダ毛処理をしない

当たり前の話ですが、体調の悪い時は、肌の調子が悪いため、ムダ毛処理によって毛穴も傷つきやすくなります。そのため、体調の悪い時にムダ毛処理をすると、毛嚢炎になる可能性も高くなります。

体調の悪い時のムダ毛処理は控えてください。

また、普段から肌の調子を良くするために、食事や睡眠に気をつけて、規則正しい生活を送ることも大切です。

まとめ|毛嚢炎との正しい付き合い方

毛嚢炎は、誤ったムダ毛処理やアフターケアによって発症しますが、軽度の場合は、清潔に保ち安静にしていれば、自然に治り、痕も残りません。

しかし、自分で潰したりしてしまった場合は、炎症が悪化したり、毛嚢炎のクセがついて、なかなか治りにくくなります。また、炎症の範囲が広がると、完治しても傷跡のようなものが残ってしまう可能性があります。

ですので、毛嚢炎を治すためには、初期の段階で正しく対処することが重要です。また、そもそも毛嚢炎ならないために、適切なムダ毛の処理方法とアフターケアを実践をしてください。

この記事が良かったなと思っていただけたなら、下のボタンから共有をお願いします。

記事タイトルとURLをコピーする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*