毛周期とは?|ムダ毛が生え変わるサイクルとベストな脱毛間隔
体毛には「毛周期」という生え変わりのサイクルがあります。そして、脱毛について調べたり、サロンやクリニックで説明を聞いていると、この「毛周期」という言葉が頻繁に出てきます。ここではこの「毛周期」について分かりやすく説明するほか、毛周期と脱毛間隔の深い関係についても解説します。
毛周期とは?
私たちの体に生えている体毛には全て、毛周期という生え変わりのサイクルがあり、一定の周期で生え変わっています。
毛周期は、成長初期~成長期、退行期、休止期と大きく3つの段階に分けられます。
毛が生まれ、ぐんぐん伸びる成長期
成長初期
毛が生まれ、皮膚の上に出てくるまでの期間です。
皮膚の下にある毛母細胞が細胞分裂し、新しい毛が誕生した後、皮膚の表面に出てきます。
成長期(中期~後期)
皮膚の上に出てきた毛が成長していく期間です。
毛母細胞が活発に細胞分裂を行うので、どんどん毛が伸び、太くなっていきます。
成長が止まり、抜けやすくなる退行期
成長を終えた毛が抜け落ちるまでの期間です。
毛の成長の元となる毛母細胞の細胞分裂が止まり、毛母細胞に酸素や栄養を送り込む毛乳頭と毛母細胞の結合も弱くなって離れていきます。その後、皮膚内に残った毛も徐々に押し上げられて抜けやすくなります。
毛がなくなり、次に毛が生えるまでの準備をする休止期
毛が抜け落ち、次に毛が生えるまでの準備をする期間です。
毛が自然に抜け落ち、その後しばらく、その毛穴には皮膚の上にも皮膚の下にも毛がない状態が続きます。
光脱毛や医療レーザー脱毛は成長期の毛にしか効果がない
光脱毛や医療レーザー脱毛は、メラニン色素と呼ばれる黒い色素に反応する光を照射し、毛根にダメージを与え、脱毛します。退行期や休止期の抜け残った毛は、メラニン色素が薄くなっているため、光やレーザーに反応しません。
照射の効果を十分に発揮できるのは、毛母細胞の細胞分裂が活発で、毛の色が黒い成長期の毛だけです。
もっと知りたい!? 毛の構造について
先ほどから「毛母細胞」、「毛乳頭」、と言った言葉が出てきますが、そもそも毛の構造はどうなっているのでしょうか?ここで詳しく見てみましょう。
毛幹→私たちが普段目にしている、皮膚の上の毛です。
毛根→皮膚の下にある毛の総称です。
毛包→毛根を包む組織です。
皮脂腺→脂肪性の物質を分泌し、皮膚や毛の表面をなめらかにしています。
立毛筋→毛根に付着する筋肉です。寒さや恐怖で収縮すると毛幹を立てて鳥肌になります。
毛球部→毛乳頭と毛母細胞の総称です。
毛乳頭→毛細血管から酸素や栄養を取り入れ、毛母細胞に送り込みます。
毛母細胞→毛乳頭から酸素や栄養を取り込み、細胞分裂して毛を作り出します。
医療レーザー脱毛や光脱毛は、毛根の中でも毛が生える元となる毛乳頭や毛母細胞に熱でダメージを与え脱毛しています。
毛周期は部位によって異なる
各部位の成長期と休止期
毛周期は部位によって異なります。ここでは各部位の成長期と休止期の目安をまとめました。
各部位の成長期と休止期
成長期 | 休止期 | 成長期の毛の割合 | |
---|---|---|---|
頭髪 | 2~6年 | 3~4カ月 | 85% |
眉毛 | 4~8週間 | 3カ月 | 10% |
ワキ | 3~5カ月 | 3~5カ月 | 30% |
腕 | 3~4カ月 | 3~4カ月 | 20% |
VIOライン | 1~2年 | 1年~1年半 | 30% |
足 | 4~5カ月 | 4~5カ月 | 20% |
このように、部位によって毛周期は全く異なります。また、成長期の毛の割合も大きく異なります。
光脱毛や医療レーザー脱毛は成長期の毛にしか効果を発揮しないので、ワキに一度照射したとしても、全体の毛の30%にしか効果がなく、また新しい毛が生えてきてしまいます。また、VIOラインは休止期が長く、脱毛を完了するまでに時間がかかることが分かります。
部位によって毛の伸びるスピードも異なる
部位によって異なるのは、毛周期だけではありません。1日に伸びる毛の長さも異なります。
部位別 1日に伸びる毛の長さ
- 頭髪→0.3~0.4mm
- 眉毛→0.15mm
- ワキ→0.3mm
- VIOライン→0.2mm
- 手足→0.2~0.4mm
ワキの場合、1日に0.3mm伸びていきます。1度自己処理しても3~4日で1mmほどになってしまうので、チクチクして気になってしまうという人が多いです。
毛はどこまで伸びるの?
1日に伸びる毛の長さと成長期の期間を掛けると、その部分の毛がどこまで伸びるかを出すことができます。
頭髪の場合、
成長期の長さ(最長6年)×1日に伸びる長さ(最長0.4mm)=876mm(87.6cm)
となるので、切らずに伸ばし続けたとしても、通常であれば地面につくようなところまで伸ばすことはできません。
しかし現在、ギネスブックに認定されている世界一髪の長い人・中国人女性の謝秋萍さんの頭髪は5.62mもあります。彼女は13歳のとき、1973年から髪を伸ばし始め、2004年にこの長さになりました。これを見るだけでも毛周期や1日に伸びる毛の長さは個人差が大きいことが分かります。
毛周期と脱毛の関係
毛周期を無視して何度も照射しても肌に負担を掛けるだけ
繰り返しになりますが、光脱毛や医療レーザー脱毛の照射が有効なのは成長期の毛だけです。1度照射を終えた後、早く脱毛したいからと言って1カ月後にまた照射しても、その部分の毛は休止期に入っているので、全く効果を得ることができません。
照射の熱で肌に無用な負担を与えてしまう上、1回分の脱毛料金を無駄にしてしまいます。脱毛の効果を高めたい人は、照射の頻度を上げるのではなく、しっかりとアフターケアを行いましょう。
アフターケアの詳細は、効果を左右する脱毛後のケア|当日&しばらく気をつけることをご覧ください。
サロン・クリニックが2~3カ月に一度の照射を勧める理由
部位によって毛周期はさまざまなのに、多くのサロン・クリニックがどの部位に対しても2~3カ月に1度の照射を勧めているのは、体毛のほとんどが2カ月以上の休止期を必要としており、2カ月以内に照射しても意味がないからです。つまり、必ずしも2~3カ月に1度の照射が最適というわけではありません。
一番効果的なのはムダ毛が生えそろってきたとき
本当に効果的な照射のタイミングは、ムダ毛が生えそろってきたときです。1度目の脱毛の後、自分のムダ毛がどれくらいの期間で生えそろったのかをしっかり観察しておきましょう。次に脱毛をした後、前回、ムダ毛が生えそろうまでにかかった期間分を空けて予約をすれば、より効果的に脱毛することができます。
脱毛終盤は3カ月以上間隔を空けた方が効果的な場合もある
脱毛が進むにつれ、次の毛が生えそろうまでに時間がかかるようになってきます。この段階まで脱毛が進むと、今までと同じように2~3カ月のペースで照射するよりも、毛が生えそろうまで待って照射した方がより高い効果が得られるので、3カ月以上間隔を空けることを勧められる場合があります。
次の脱毛までの期間が長くなってしまうと、脱毛完了までの期間も伸びてしまうように感じるかもしれません。しかし、長期的に見て減毛率を上げるためには、この方が効果的だと言われています。有効期限の長いコースを契約していると、ゆっくり様子を見ることができるので安心です。
脱毛中は「無毛期間」をうまく利用しよう
一度、照射を行うと1~3週間ほどで毛が抜け落ちます。そして、退行期・休止期の毛が再び成長期に入るまでには、2カ月以上必要なので、この3~8週間目までは、ムダ毛がないきれいな状態で過ごすことができます。
脱毛が完了するまでの期間は、この無毛期間を上手に活用しましょう。夏の露出度が高くなる期間や旅行中をこの無毛期間に当たるように脱毛すれば、自己処理の回数を減らすことができます。
夏場の無毛期間利用例
以上、「毛周期とは?|ムダ毛が生え変わるサイクルと脱毛間隔の深い関係」でした。効果的に脱毛するためには、毛周期に合わせて脱毛することが大切です。
とはいえ、最初から自分の各部位の毛周期がどれくらいなのかを正確に把握することは難しいので、まずはサロン・クリニックが推奨する2~3カ月に1度のペースを守って脱毛していきましょう。そして、終盤に近づくにつれ、毛が生えそろうまでに時間がかかるようになってきたら、スタッフと相談し、脱毛間隔を少し伸ばしてみてください。
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私は30歳代なのですが、10代20代とで毛周期の期間って変わりますでしょうか?
そこ気になりますよね…(^_^;)
一般的に、毛周期は年齢が高くなるにつれ、それぞれの期間が長くなる(なかなか生え変わらなくなる)傾向にあります。
時々、耳毛や眉毛がとても長いおじいさんをお見かけしますが、それは、耳毛や眉毛がなかなか生え変わらず、成長を続けてしまうからというわけです。ですので、10代・20代と比べ、30代は毛周期が少し長くなる可能性があります。
ちなみに、サロンやクリニックに通う間隔については、毛周期だけでなく、脱毛効果の出方などによっても変わってきますので、そこのスタッフさんと相談して決めていくのが一番ですよ!
お返事が遅くなって失礼しました。丁寧なアドバイスありがとうございます!
また気になることがあったら、いつでもコメントくださいね!