医療脱毛の教室

医療レーザー脱毛のメリット・デメリット

医療レーザー脱毛のメリットは面倒な自己処理から解放される上、効果が表れるまでに光脱毛ほど時間がかからないことです。反面、パワーが強いため肌への刺激が強く、費用もかかります。それでは、メリット・デメリットについて具体的に見て行きましょう。

医療レーザーによるムダ毛処理のメリット

比較的短期間で、面倒な自己処理から開放される

光脱毛も医療レーザー脱毛も続けるうちに面倒な自己処理から解放されるのは同じです。しかし、光脱毛の場合、効果を実感するまでに2~6回程度、自己処理がほぼ必要なくなるまでに12回以上は通わなければならないと言われています。

しかし、医療レーザー脱毛の場合、多くの人が4~6回程度で自己処理がほぼ必要のない状態になったと感じています。2カ月に1回の頻度で処理をしたとしても、1年ほどで完了します。

施術前に、医師に肌の状態を診察してもらえる

医療レーザー脱毛を行うのは、医師と医師の監督下にある正看護師のみです。施術前に気になることがある場合には、気軽に相談することもできますし、皮膚の状態も診察してもらえます。

また、施術中や施術後、万が一トラブルが起こってしまった場合にも、すぐに医師に対応してもらえるので安心です。

医療レーザーによるムダ毛処理のデメリット

脱毛よりパワーが強いので、その分、肌に負担がかかる

光脱毛よりもパワーの強い光を照射するため、肌への負担も大きくなります。

そのため、肌が過剰に反応してしまった場合、軽いやけどをしたり、毛嚢炎を引き起こしたりすることもあります。これらのトラブルが起こっても、医師がすぐ対応し、飲み薬や塗り薬を処方してくれますが、不安を感じる人は、顔など目立つ部位への施術は避けた方が良いでしょう。

「毛嚢炎」「やけど」についての詳細は、それぞれのページを参照してください。

光脱毛より痛みが強い

光脱毛よりパワーが強いということは、当然その分痛みも強くなります。痛みの感じ方は人それぞれで、毛抜きで抜いたときと同じような軽い痛みしか感じなかった、という人もいれば、思わず声を上げてしまうほど痛かったという人もいます。

痛みが我慢できない場合、麻酔をしてくれるクリニックもありますので、医師に相談してください。

麻酔についてなど、施術中の痛みに関しては【施術中の痛みを軽減させるには】で詳しく説明しています。

保険適用外なので料金が高い

病院で受ける施術であっても、標準的な医療行為や最低限必要だと国が認めるものでない限り、健康保険が適用されません。医療レーザー脱毛は、基本的に保険適用外となり、クリニックが独自に定めた金額を支払うことになります。

このため、料金はクリニックによって大きく異なり、光脱毛と同程度のところもあれば、比べ物にならないほど高額なところもあります。

ただし、保険適用外なので値段の交渉をすることも可能です。

クリニックによっては値引きに応じてくれる場合もありますので、気に入ったクリニックが高額でどうしても通えない場合などは、ダメ元で値引き交渉してみてください。

医療レーザー脱毛の仕組み

医療レーザーは、どのような仕組みで脱毛しているのでしょうか?医療レーザー脱毛機器の種類も合わせて解説します。<

医療レーザーによる脱毛とは

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医療レーザーは、メラニン色素(黒い色素)にだけ反応して熱を発生させるレーザーを照射し、毛根の組織を破壊することで脱毛しています。

黒い色素に反応するので、色素沈着が強い部分には照射できません。これらの場所に照射するとやけどや水ぶくれなどの肌トラブルを起こす可能性があります。

医療レーザー脱毛が受けられない部分

  • 乳輪
  • 大きなほくろ
  • 医師が照射できないと判断したしみ
  • あざ
  • 日焼けした部分
  • タトゥの入った部分

これらの部分の脱毛をしたい場合は、ニードル脱毛(針脱毛)をおすすめします。また、レーザーが反応しないため、白髪の脱毛もできません。

機器の種類

医療レーザー脱毛機には、さまざまな種類があります。数種類所有しており、部位や毛の状態によって使う機械を変えるクリニックもありますので、医師と相談しながら使用する機械を決めてください。ここでは代表的な3種類を紹介します。

ダイオードレーザー

照射範囲が広く、短時間で施術できます。ジェルを塗りながら行うので、乾燥肌の人におすすめです。毛の濃い部分には効果的ですが、産毛にはあまり効果がありません。

アレキサンドライトレーザー

ジェルを使用しない方式なので、ジェルによるアレルギーを避けることができます。肌にジェルを塗ったり、拭き取ったりする必要がないので、その分全体の施術時間も短くなります。産毛にも比較的効果が出やすいと言われています。

YAGレーザー

他の機種よりも、メラニン色素(黒い色素)に吸収される率が低いので、色素の濃い人におすすめです。ただし、吸収率が低い分、効果も低いと言われています。産毛の処理に使用されることが多いです。

なお、現在クリニックで使用されているのは、ダイオードレーザーアレキサンドライトレーザーが多いです。

永久脱毛は本当に「永久」なのか?

死ぬまで1本もムダ毛が生えてこないわけではない

今、日本で永久脱毛ができるのは、医療機関だけです。

日本では、毛乳頭や皮脂腺開口部などをレーザーで破壊する行為を医療行為と定めており、医師のいないサロンやエステではこの行為を行うことができません。医療機関以外の場所では、毛乳頭や皮脂腺開口部を破壊しない程度の光を照射し、減毛を行っています。

しかし、医療機関で永久脱毛を行っても、死ぬまでムダ毛が1本も生えてこない状態にできるわけではありません。人間のムダ毛を永久に生えてこないようにするのは、非常に難しく、現時点での永久脱毛とは、あくまである程度の期間ムダ毛の少ない状態を維持できる方法だと考えてください。

安全性と脱毛効果が認められたFDA承認機種

では、ある程度の期間とはどれくらいを指すのでしょうか?実は日本では、まだ明確な基準が定められていません。

一方、美容先進国のアメリカでは、日本の厚生労働省に当たるFDA(アメリカ食品医薬品局)という機関により「レーザーを3回照射した後、6カ月経過した時点で67%以上の毛が減っている状態」を永久脱毛と定義しています。

FDA承認機種であれば、この基準をクリアしているので、効果に対して不安を感じている人は、使用している機器がFDAの承認機種かどうかを確認してみてください。もちろん、全ての人に効果があるとは言い切れませんが、安心材料のひとつにはなります。

医療レーザー脱毛の基本的な施術の流れ

次に、医療レーザー脱毛の施術の流れを説明します。なお、レーザーの方式はどれであっても、大まかな流れは変わりません。

クリニックを訪ねる前に準備しておくこと

レーザーをしっかりと毛根に照射できるよう、クリニックに行く前に、カミソリや電気シェーバーで照射する部分の毛を剃っておきましょう。

照射前にシェービングをしてくれるクリニックもありますが、直前にシェービングすると、肌への負担が大きくなってしまうので、2~3日前までに処理しておく方がすすめです。

このとき、毛抜きや脱毛ワックスで処理してしまうと、効果が得られなくなってしまうため、照射を断られることがあります。普段から毛抜きや脱毛ワックスで処理をしている場合は、来院の1カ月以上前からカミソリや電気シェーバーでの処理に切り替えてください。

また、日焼けをしている部位はレーザーが照射できないので、日焼けにも十分注意してください。

予約から処理完了までの基本的な流れ

1.予約

多くのクリニックは完全予約制となっています。来院前に電話やネットから予約を入れましょう。予約の際に、脱毛したい部分や現在の状況について聞かれることがありますので、自分の希望や状況を整理してから行ってください。

また、施術の際の着替えを自分で用意しなければならないのかも、事前に確認しておくと安心です。

2.問診票の記入

脱毛を希望する部分の現在の状況や、持病のある・なし、服用している薬はあるかなどを記入し、カルテを作成してもらいます。問診やカウンセリングは無料というクリニックもありますので、施術が受けられるか心配な人は、そういったクリニックを選んでください。

保険適用外の施術なので、基本的に保険証の提出を求められることはありませんが、氏名を確認するために提示を求められる場合もあります。

3.カウンセリング

コースや料金のほか、脱毛に関する疑問や、使用する機器、医療レーザー脱毛のメカニズムについて説明してくれます。少しでも疑問に思ったことは、遠慮なく積極的に質問してください。

4.医師による診察や看護師による問診

医師や看護師が肌の状態を診察し、皮膚やムダ毛の状態に合わせた脱毛のプログラムを提案してくれます。不安に思っていることがあれば、なんでも相談し、納得した上で施術を受けましょう。

また、痛みに不安がある場合、施術前に麻酔をしてくれるクリニックもありますので、事前に相談してください。

5.施術

初回来院時に照射できるクリニックと、次回からになるクリニックがありますので、予約時に確認しておきましょう。照射は、両ワキなら10分程度で終了します。

施術中に痛みを感じた場合は、我慢せずにすぐに訴えてください。

この施術を行えるのは、医師と医師の指導の元、施術の指導を受けた正看護師のみです。准看護師は施術を行うことができません。

過去には、准看護師が施術を行い、摘発されたクリニックもありますので、少しでも不安を感じたら、施術前に確認するようにしてください。

6.アフターケア

施術後のアフターケアはクリニックにより異なります。保湿ケアをしてくれるところ、患部を冷やしてくれるところなどそれぞれです。気になる人は、初回カウンセリン時に、どういったアフターケアが行われているか確認しておきましょう。

7.次回の予約

最後に次回の予約を行います。多くのクリニックで、毛周期に合わせた2~3カ月後の予約を勧めています。

クリニックに通う頻度と毛周期の関係

毛周期とは毛が生え変わるサイクルのことで、成長期(初期・後期)→退行期→休止期と3つの段階があります。

毛周期

通常、1つの毛穴には複数の毛根が存在しているのですが、医療レーザーが反応するのは、そのとき、毛が生えている毛根(成長期と退行期の一部)のみです。

そのため、休止期の毛根が再び成長期へと入る頃を見計らい、再び照射します。毛周期は個人差があり、部位によっても大きな差があると言われているのですが、一般に2カ月以内に照射しても効果は薄いとされているので、多くのクリニックでは2~3カ月に一度の施術を推奨しています。

毛周期に関してさらに詳しく知りたい人は、毛周期とは?|ムダ毛が生え変わるサイクルとベストな脱毛間隔を読んでみてください。

施術後に気をつけること

1.しっかりと保湿し、日焼けを予防する

医療レーザー脱毛の施術後は、肌が軽く日焼けしたような状態になって、ほてりを生じることがあります。赤みがあるうちは、クリニックでもらった軟膏などで、赤みが引いた後は、刺激が少なく肌に優しい保湿ローションでしっかり保湿しましょう。

また、軽い日焼けをしたような状態の肌がさらに日焼けしてしまうと、肌トラブルの元となります。日傘やスカーフ、UVカット効果のある洋服などで紫外線対策を行ってください。

2.当日は入浴や熱めのシャワーを避ける

施術後、体温が上がると肌トラブルが起こりやすくなってしまうので、当日は湯船に浸かったり、熱めのシャワーを浴びたりするのはやめてください。

また、ナイロンタオルなどで肌をゴシゴシこするのもよくありません。数日間は手や柔らかいタオルでそっと洗うようにしましょう。

3.処理当日の激しい運動・飲酒を控える

体温が上がると肌トラブルを起こしやすくなるので、激しい運動や飲酒もよくありません。クリニックで脱毛した後にうっかり飲酒をしてしまい、毛穴が赤くなってしまった、という声もよく聞きます。体温を上げる行為は控えましょう。

施術中の痛みを軽減させるには…

人によっては大きな傷みを感じる医療レーザー脱毛ですが、その痛みを軽減することはできるのでしょうか?痛みに耐えられない場合の対策をご紹介します。

生理前後の施術を避ける

生理の前後は、肌が敏感になっているため、痛みを感じやすくなっています。生理前後の施術は避けましょう。

施術前日にしっかり保湿する

肌が乾燥していると、より痛みを感じやすくなると言われています。施術が決まった後は、いつもよりしっかり保湿しましょう。保湿には、普段顔などに使用している化粧水や、ボディクリームを使用してください。

施術する部分をしっかり冷やしてもらう

クリニックによっては、施術前に患部を冷やさない場合があります。もちろん、この方法でも問題ないのですが、痛みは強くなります。痛みが強い場合には、事前に冷やしてもらえないか相談してみてください。

麻酔を使用する

多くのクリニックで、麻酔が使用できます。麻酔の使用前には、必ず医師の診察が必要です。また、別料金がかかる場合がありますので、カウンセリング時に相談しましょう。麻酔は主に2種あります。

  • 笑気麻酔
  • 吸引するとお酒に酔ったような状態になります。痛みに対する不安がなくなり、痛みを感じにくくなるガスタイプの麻酔です。亜酸化窒素と酸素によって構成されており、濃度を自由に設定できます。

    ガスなので速やかに体外に排出することができ、副作用が少ないと言われています。鼻炎で吸引が困難な人や、過換気症候群の経験がある人には不向きです。

  • 麻酔クリーム
  • 笑気麻酔だけでは痛みが我慢できない場合や、笑気麻酔が使用できない体質の人に使用します。クリームの中の成分にアレルギーがある人は使用できません。

    また、塗布後30分以上経たなければ効果が得られないものが多く、施術に時間がかかる場合があります。

レーザーのパワーを下げてもらう

レーザーのパワーが強いほど、肌への刺激も強くなり、痛みも強くなります。我慢ができないときには、レーザーのパワーを下げてもらいましょう。ただし、パワーを下げると、その分効果も下がってしまうので、通う回数が増える可能性があります。

スタッフとコミュニケーションを取り、気を紛らわせる

黙って痛みに耐えるよりも、スタッフと会話しながらの方が、安心でき、痛みを感じにくかったという人も多いです。スタッフとコミュニケーションを取りながら、気を紛らわせてください。

クリニックを選ぶときに気をつけたいポイント

最後に、実際に施術をしてもらうクリニックを選ぶ際に、気をつけておきたいポイントについて見て行きましょう。

通いやすさ

自己処理の必要がなくなる程度になるには平均4~6回は通わなければなりません。あまりに遠いところや、交通の便の悪いところにしてしまうと、通うのが億劫になってしまうので、なるべく通いやすいところにしましょう。

また、引っ越しする可能性がある人は、全国展開している大きなクリニックで系列のクリニックに転院できるところがおすすめです。

予約の状況やキャンセル・遅刻について

自分が通いたい曜日や時間帯の予約が取りづらい場合、施術が完了するまでに時間がかかってしまいます。必ず現在の予約状況を確認してください。

また、体調不良でキャンセルしたときにはどうなるのか、公共交通機関の遅れなど不測の事態で遅刻してしまった場合はどうなるのか、などについても事前に確認しておきましょう。

医師の診察がしっかり行われているか

医療機関で行われているからと言って、必ずしも安心とは言えません。クリニックの中には、初回から医師の診察がなく、看護師のみで施術を行うようなところもあります。医師による診察が行われない場合には、施術を断り、別のクリニックを探すことをおすすめします。

こういった情報は、クリニックの公式サイトやパンフレットには掲載されていないことが多いので、口コミサイトなども参考にしながら選んでください。

美容外科でも皮膚科でも施術内容に大きな違いはない

医療レーザー脱毛は、主に美容外科や皮膚科で行われています。皮膚科で脱毛を行っているクリニックは、美容に特化したところが多く、美容外科と大きな違いはありません。また、美容外科であっても皮膚科医が勤務している場合もあります。診療科よりも医師の診察がしっかり行われているかを基準にクリニックを選んでください。

料金について(コース料金以外にかかる費用)

クリニックを選ぶ際、まず目につくのは料金だと思います。

ただ、コース料金の安いクリニックを選んだのに、背中など手が届かない部分の事前シェービングも有料だったり、毎回軟膏や薬が処方されたり、麻酔にかかる費用が高額だったりすると、トータルで見た時に、他のクリニックの方がお得だったということになりかねません。

初めにコース料金以外にどんな費用がかかるのかと、その金額をしっかり確認しておきましょう。

使用している機械を気にし過ぎない

【機器の種類】の項で説明したとおり、脱毛器にはさまざまな機種があります。とはいえ、多くのクリニックで、ダイオードレーザーかアレキサンドライトレーザーが使用されており、それ以外の機種を使うクリニックはまだまだ少ないです。

それぞれに特徴があるので、自分の希望に合うものを選びたいという気持ちは分かりますが、機種にこだわりすぎると、選択肢を大幅に狭めてしまう可能性があります

機種に関しては「FDA承認機種であればOK」くらいの条件で探した方が、自分に合うクリニックが見つかりやすいです。

どんな保証があるか

安心して通えるように、クリニックではさまざまな保証を行っています。

返金保証

引っ越しなどで、クリニックに通い続けることができなくなった場合、残りの料金を返金してくれる保証です。

期間の保証

クリニックに通っている途中で怪我をしたり、妊娠したりして、決められた回数分を終えることなく通える期間を過ぎてしまった場合も、回数分の処理を行うまで、引き続き通える保証です。

肌トラブルの保証

クリニックでの脱毛が原因で肌トラブルを引き起こしてしまったときに、治療費を負担をしてくれるものです。

また、クリニックによっては、肌トラブルの中でも、硬毛化多毛化に特化した保証を行っているところもあります

これらの保証がついているクリニックであれば、より安心して通えますが、保証が充実している分、料金が高くなる可能性もあります。まずは、自分に必要な保証内容について考えてみましょう。

医療レーザー脱毛は、料金が高額で、強い痛みを伴う場合もあり、通うのには大きな決心が必要かもしれません。しかし、少ない回数で自己処理がほぼ不要になるまで脱毛でき、医師の診断が受けられるので、脱毛に対して大きな不安のある人にもおすすめできる脱毛方法のひとつです。